menu

活動報告

9/10(金)月例メンバー交流会「栄養ワークショップ」開催!!

2021年10月13日 活動報告

今回は、今年12月に開催される東京栄養サミットの広報を兼ねつつ、ユニセフの活動においても一つの重要テーマである「栄養」分野の国際協力活動について理解を深めようと、JICA(独立行政法人国際協力機構)と連携して、交流会を行いました。

当日は14名の参加者が集まり、実践・体感しながら「栄養」について学びを深め機会となりました。

○買い物ゲームで世界の現状を体感

「世界には、食べ物を十分に摂取できず、栄養が不足している状態(飢餓状態)にある人が8億人(=およそ10人に1人)いる一方、栄養を過剰に摂取していることにより健康状態を害している(肥満・過体重)人々が20億人(およそ4人に1人)いる」という栄養問題の2つの側面について解説されたのち「なぜこのような栄養の偏りが生じるのか?」という問題提起がなされワークショップが始まりました。

今回のワークショップではJICAが開発した「買い物ゲーム」を実践しました。このゲームでは、参加者各自に伝えられる「ある条件」を踏まえて必要なエネルギー量と栄養素の摂取を目指して食材の買い物を行います。

1回目の挑戦では低所得、中所得、高所得という条件が課され買い物を行いました。

買い物ゲームの一コマ(JICA提供)

結果、自分の所得によって選ぶことの出来る食材の選択肢が変化し、低所得では炭水化物や脂質を多く含む食品を選びやすいことから「低所得は栄養が不足しがちになる」「低所得は過栄養にもなりやすい」ということを実感した一方で、高所得でも栄養が偏るリスクが存在するという気付きを得ることに繋がりました。

その後、JICAの山口さんより「飢餓・肥満・過体重で苦しんでいる人はどこにいるのか」「やせすぎや太りすぎによって健康にどのような影響があるのか」「栄養の不足、過多のアンバランス」といった世界の栄養をめぐる状況について解説をいただきました。
その中では、日本においても、低体重出生児割合の増加や食塩摂取量の過剰摂取、若年層の野菜摂取量不足、食品ロス問題など多くの栄養に関わる問題が存在していることもお話いただきました。

続いて買い物ゲーム2回目の挑戦を行いました。
2回目では、所得は参加者全員同じですが、それに加えて「栄養相談」「学校給食」「現金給付」の中からいずれか1つの支援を受けることができるという条件が追加されました。

結果、1回目に比べて多くの参加者が条件を満たすことが出来、「適切な支援によって栄養が改善する」ことを実感した一方、「アプローチによって効果にバラツキがある」「アプローチによって良し悪しがある」という点も理解することが出来ました 。

○栄養はすべてのSDGs達成に必要不可欠

買い物ゲーム終了後にはJICA国際協力専門員の野村さんよりJICAが世界各地で行なっている栄養改善の取り組みとSDGs達成に向けた栄養の重要性についてお話をいただきました。「不十分な食事は学校での集中の妨げになる(目標4)」「栄養対策への支援はハイリターン(目標17)」のようにSDGsの目標全てに何らかの形で「栄養」が関わってくることは大変印象深く、「栄養はすべてのSDGs達成に必要不可欠である」との理解を深めることが出来ました。
また、「学校給食支援プロジェクトで用いられる食材はどのように調達するのか」「東京栄養サミットの注目点は?」といったテーマで活発な質疑応答が行われました。

@unicef Campus 栄養ワークショップ集合写真

ワークショップを通し、参加者からは

・「自分が普段食べている物の栄養バランスを見直すきっかけにもなって面白かった。」
・「栄養に関してこれまであまり興味を抱いてこなかったためとても貴重な体験でした。」
・「給食の重要性や、栄養をめぐる様々な支援のあり方などを実際に現地で活動した方から直接聞けると言うのはとても貴重な経験で大変満足です。」
・「ワークショップをしたことで、途上国に肥満が多い理由を、身をもって理解出来たように思います。」

といった自らが体感したからこそ得られる気付きについて多くの感想をいただきました。

unicef Campusでは「5歳未満児の死亡原因の45%は低栄養によるもの」という世界の現状も踏まえ、今後も「栄養」について学びを深めるとともに発信を行なっていきます。

この度、ご協力をいただきましたJICA(独立行政法人国際協力機構)の山口様、野村様、古田様に感謝申し上げます。有難うございました。

(文・unicef Campus 事務局 慶應義塾大学 長澤パティ明寿)

※本ワークショップで使用した買い物ゲームの教材は、JICA地球ひろばHP(https://www.jica.go.jp/hiroba/teacher/material/nutrition/index.html)に掲載しています。

このホームページの著作権は、日本ユニセフ協会にあります。
本ホームページに掲載されている文字、写真、イラスト等を無断で他の電子メディア、印刷物などに転載することは出来ません。
転載を希望される場合は、「お問い合わせ」よりご連絡ください。なお、営利目的での利用はお断りしております。